▼私たちの住む加賀地方は、昔から信仰に厚く、たいていどこの家にも仏壇があります。▼仏壇は大概、座敷に置かれ、仏間として使われてきたかと思いますが、最近では、生活様式の変化や建物のコストの問題などから、畳の敷かれた和室が作られることが少なくなり、配置する場所を考えなくてはいけなくなりました。▼信仰を続ける人にとって仏壇は、先祖を尊ぶ大切なもので欠くことのできないものです。▼そこで現代の住宅事情に合せて仏壇の置かれる位置を考えると、以前にこのコラムの「座式の生活」(Vol.13)で書いたリビングの延長で一段上がった畳敷きのコーナーに置くことも考えられます。▼特別に仏間を設けるのではなく、リビングの一角に畳敷きのコーナーを設け、そこに仏壇を収め、襖の開閉により仏壇に接することができる仕組みです。▼冬に仏間で寒い思いをしなくても済みますし、何よりも、先祖のそばで日常を過ごすことができるという大きな意味をも持ちえるのではないでしょうか。