住宅は、楽しくなくてはなりません。そのために、施主も設計者も明るく健康で生活をおくることが大切です。家楽する心には木田智滋のそんな想いが込められています。

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Kokoro 10

窓の向きと樹木

▼建物を建てる敷地条件にもよりますが、私の住宅設計では、リビングなどの居室の窓は東南方向に向かってとることが多いです。▼そして、外部東側に、夏は葉で木陰をつくり、冬は落葉して光がすり抜ける落葉樹を植えることにしています。▼夏の太陽は、東の少し北寄りから昇り始め、気温の上がる時には一気に東南の高いところまで昇ってしまいます。▼東側に落葉樹を植えることにより、昇り始めの日差しをさえぎり、午前の室温上昇を抑えることが出来ます。▼反対に冬の太陽は、東の少し南寄りから昇り始め、低い角度で太陽が移動し、日差しは落葉した樹をすり抜けて、東南向きの窓から午前はずっと暖かく室内に入り込みます。▼このように季節の太陽の動きを考えながら、光と影をコントロールした窓向きや、樹木の配置が何よりの省エネになるのではないでしょうか。▼そして何よりも窓から見える樹木の移り変わりが季節を感じさせ生活を楽しいものにしてくれるでしょう。

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