住宅は、楽しくなくてはなりません。そのために、施主も設計者も明るく健康で生活をおくることが大切です。家楽する心には木田智滋のそんな想いが込められています。

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Kokoro 14

建築家の嬉しい時

▼日頃感じていることをうまく表現した文章があるので紹介します。▼「建築家として最も嬉しい時は、建築が出来、そこへ人が入り、いい生活が行われているのを見ることである。日暮れどき、家の中に明るい灯がつき一家の楽しそうな生活が感ぜられるとしたら、建築家にとって、最も嬉しい時ではあるまいか。」(吉村順三のことば‐彰国社)▼いつも感じることは、建築依頼に始まり、何度も打ち合わせてあれこれ想像しながら設計し、工事現場に何度も足を運び、思いのこもった建築が仕上がってお渡しするときの、なんとも言われぬ寂しさです。▼引用文のように、施主の方が住みはじめて「思い通り住んでもらっているかな」と心配しながらも、家族の楽しそうな生活の様子が感じられたときは実感として嬉しいものです。▼そして時間とともに家族が過ごし子供の成長があるかと思うと、とても大切なことを任せられていることだと実感します。▼それが上手くいった時に建築家としての喜びの原点なのではないでしょうか。

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